苔の種類は雑草以上に多く数千種類もありますが、ハイゴケの再生物語です。ハイゴケ(這苔)は、半日陰の場所(土、アスファルト問わない)に自生している苔です。
2年放置したハイゴケ
緑化事業に関わっていた現役の頃、管理していた場所(山間)で採取したハイゴケの一部を持ちかえったけれど、忙しさからその後自宅ベランダに放置していたハイゴケがありました。一部苔玉として加工もしましたが、マメに陽にあてても黒ずんできて半年も経つとコケがいつのまにかなくなり、下のケト土が見えていました。
ハイゴケは苔玉には適してますが、苔玉は何年も持たせるのが難しいです。残ったコケはそのまま外に放り出したまま、2年あまり放置してしまいました。
採った時のハイゴケ
写真のように一見枯れているように見えます。コケの下の土もカラカラに乾いて、どう見ても再生できない感じがしますが、この状態から復活するんです!
水遣り3日後
捨てるのは簡単ですが、ハイゴケに限らず苔は数年はおろか数十年も休眠して復活する話もきいたことがありブログもやってるしで、再生するかどうかの実験開始になりました。
やったことは水を与えたことだけ。それとお日様に充てないとせっかく水分を含んできても光合成ができないので外に置いときました。ここまではほんとに水分を供給しただけの状態です。
少しだけふわふわ感がもどりつつあります。南極ですら生息しているギンゴケほどの耐久性はありませんが、2年放置など問題にしていないようです。
水遣りプラス栄養剤追加で10日後
水だけを与えてから7日後の写真です。
ご覧のようにずいぶんと青々としてきました。触った感触も2年前に取ってきた場所で生息していたときのようにフワフワ感がでており、柔らかく触り心地がいいです。苔の下にはさほど土もないのに水を与えただけでずいぶん復活しました。
下の写真は、緑の色合いを出すために10本100円で売ってた液肥を1本足してから3日後の写真(水だけ与えたのと合算して10日後)です。
写真では前と大差ないですが、それぞれの胞子体が伸びており触った時のふわふわ感は増してます。4割ほどは茶色のままなので、苔自体の強さの問題もあるのでしょうが、ほんとにすごいです。
まとめ
・カラカラに乾燥した2年放置したハイゴケは水だけで相当分生き返る
・土にあまり依存せず、苔自体が復活のための栄養を蓄えてる
・液肥を少し足せば半分は緑色に復活する
いやあ、すごいですねえ。
数か月して完全復活の可能性もあるので、またしばらく様子見します。
202007追記
その後、ベランダに放置していたらハイゴケは枯れ、ギンゴケが増えてました。ギンゴケの生命力に脱帽です。